2026年4月6日朝の時点で、相場を見るうえでいちばん重要なのは「株が上がったか下がったか」だけではありません。
今回は、原油高、ドル高、雇用の底堅さが同時に進む一方で、米株は全面安にならず、ナスダックはむしろプラス圏で引けています。
数字だけ並べると強そうに見えますが、中身を見るとかなり神経質な相場です。
週明けの日本株を見るなら、ここを雑にまとめないほうがいい局面です。
まず、2026年4月6日午前9時時点で同一基準に近い最新値を並べると、米国市場はニューヨーク時間4月2日引けで、S&P500が6,582.69、ナスダック総合が21,879.18、ダウ平均が46,504.67でした。
VIXは23.87です。日本市場は日本時間4月3日時点の直近取引で、日経平均が53,123.49、TOPIXが3,645.19でした。
あわせて、ドル円は159.7200円、ユーロドルは1.15、米10年債利回りは4.345%、NYMEX原油は112.06ドル、スポット金は4,675.67ドルでした。
なお、米国は4月3日がグッドフライデーで休場だったため、米株の最新比較は4月2日引けベースで見るのが自然です。
今回の相場をひとことで言うなら、「原油高なのに株が崩れ切っていない相場」です。
ロイターによると、4月2日の米国市場は、トランプ大統領の対イラン強硬姿勢で序盤に大きく揺れた一方、その後はホルムズ海峡を巡る報道で落ち着きを取り戻し、最終的に主要株価指数はまちまちで引けました。
Reutersの相場記事でも、原油価格が急伸するなかで世界株がまちまちとなったことが確認できます。
ここで注目したいのは、ダウがマイナスで終わる一方、ナスダックはプラスを維持したことです。これは事実として確認できる数字です。
一方で、その意味づけとしては、相場全体が強いというより、資金が指数全体ではなく一部の大型グロース株に逃げ込んだ可能性がある、と見るほうが自然です。
つまり、安心感のある上昇ではなく、選別色の強い上昇です。これは【市場解釈】ですが、ダウ46,504.67に対してナスダック21,879.18がプラス圏に残っている時点で、相場の地合いは一枚岩ではありません。
次に、原油です。Reutersの報道では、4月2日時点でブレントは約7.78%上昇し、ドルも買われました。
Reutersの相場ページでも、NYMEX原油は112.06ドルまで上がっています。さらに4月5日には、OPECプラスが5月の生産枠を日量20.6万バレル引き上げることで合意したものの、ホルムズ海峡の実質的な閉塞で実際の供給増は見込みにくい、という報道も出ています。
つまり、供給不安は数字の見た目ほど解消していません。
この原油高は、日本株にとっては単純な追い風ではありません。円安が進んでいるため輸出株には一部プラスですが、原油高が長引くと、輸入コストや企業収益、消費マインドには逆風になります。
Reutersは来週の東京株式市場について、中東情勢や原油価格動向に敏感な展開が続き、状況悪化や原油急騰なら日経平均が5万円程度まで下落する可能性もあると報じています。
今の日本株は、上がっているから安心ではなく、材料が悪化しなかったから持ちこたえているだけ、と見たほうが丁寧です。
もう一つ見逃せないのが、米雇用統計です。米労働省とReutersによると、3月の米非農業部門雇用者数は17.8万人増で、市場予想を上回りました。失業率は4.3%に低下しています。
ヘッドラインだけ見れば景気は底堅く、株にもプラス材料です。
ですが、Reutersは同時に、イラン戦争による原油高が今後の景気やインフレに影を落とす可能性を指摘しています。つまり、雇用が強いから全面リスクオン、とはまだ言い切れません。
ここで相場がややこしいのは、雇用が強いと景気には安心感が出る一方で、FRBの利下げ期待は後退しやすいことです。
実際、米10年債利回りは4.345%まで上がっており、ドル円も159.72円と高水準です。
金利高とドル高が続くなら、本来は株式、とくに高PERグロース株には重しになりやすいはずです。
それでもナスダックが崩れていないというのが、今の相場の最大のねじれです。ここは「強いから買い」ではなく、「なぜ崩れていないのか」を確認する場面です。
さらに、通商政策も静かに効いています。Reutersによると、トランプ大統領は4月2日に医薬品への新たな関税や金属関税の見直しを打ち出しました。中東情勢だけでなく、関税や政策の不確実性も残っている以上、週明けの市場は「地政学だけを見ればいい相場」ではありません。エネルギーと金利と通商政策が同時に相場へ圧力をかけている状態です。
では、4月6日週の相場で何を確認するべきか。
第一に、WTIが112ドル台を維持するのか、それともOPECプラスの増産観測で少し落ち着くのか。ここがまず大きいです。第二に、ドル円159円台後半が続くのか。
160円を意識する動きが出ると、日本株は上値を追うより、政策や介入警戒を気にする局面へ入りやすくなります。
第三に、ナスダックの強さが本物かどうかです。ダウが弱いまま、ナスダックだけが高い相場は、地合い改善というより資金の偏りの可能性があります。
第四に、VIXが23台からさらに低下するのか、それとも再び跳ねるのか。ボラティリティが下がらない限り、押し目買いも安心してはやりにくい場面です。
結論として、4月6日時点の市場は「強い相場」ではなく、「悪材料を抱えながらも一部が踏ん張っている相場」です。
S&P500は6,582.69、ナスダックは21,879.18、日経平均は53,123.49と数字だけ見れば高い水準にありますが、背景にはWTI112.06ドル、ドル円159.72円、米10年債4.345%、VIX23.87という、楽観一色とは言えない数字が並んでいます。
週明けは、株価そのものよりも、原油、為替、金利、この3つの変化を先に確認したい局面です。
